BOYCOTT RHYTHM MACHINE II VERSUS

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かたやオルタネイティヴジャズ、かたやクラブミュージックを中心に活動する、アーティスト達による即興演奏のぶつかり合いを収めたコンピレーションCD+ドキュメンタリーDVDです。

食べ物をまさに口に入れようとする瞬間、舌からヨダレがジュワッと湧き出ますよね。それを興味のある音楽を聴き始める行為に置き換えると、「どんな音が飛び出すのだろう」もしくは、「好きな音楽が今から始まる」という思いから湧き出るワクワク感と一緒だと思うんです。どちらもそれが受け入れ態勢なわけですから。
これがインプロヴィゼーションになると、演奏者側だけのものだった“緊張”も聴く側が共有する事になると思うんです。それが疲れるのか、気持ちいいのかは聴く人次第、もしくは状況にもよるのでしょうが、今まで食べた事もない料理が目の前に出された時と感覚が似ているのかもって思ったりもします。

bycttrhythmmchnii.jpgこのCD.+DVDはタイトルに“VERSUS”と記されていますが、そこには単なる異種格闘技だけではなく、対話や、共存もあります。
その中でも自分がもっとも“対話”を感じたのが、高木正勝 vs 南博のピアノセッションでした。
相手の話を聴かないと対話が成立しない様に、相手の音を聴かないとセッションは成り立ちませんが(あえて聴かないと言う“手段”も時にはありますが)、演奏中、瞬時に相手の音をそこまで深く感じ取っていたのかとインタビューを聴いて感心させられました。南氏がインタビューで彼(高木)のピアノがジャズ臭くなかったから面白かったと言っていましたが、自分も高木氏のピアノは好きでした。ミニマルっぽいっていうか、フレーズの繰り返しが基本なんですね。それって普通、それっぽく聞こえるからごまかしが効くものなんですけれど、彼の場合、薄っぺらさはなく、知性を感じさせるんです。そこが好きでした。あと失礼ですけれど、インタビューの映像を観ていて、高木氏って人なりがカワイイなって思いました(笑)。いや、自分は決して男好きではありませんから。

人間関係にありそうなシチュエーションを彷彿とさせたのが、菊地成孔 vs 半野喜弘でした。人が人の輪の中に入る。そこで挑発を受けたり、揺さぶられたり、何かしらのアクションで探りを入れられ、試される。その時、菊地成孔だったらこう関わる。半野氏は迎え入れる側、菊地氏は訪れる側。半野氏によるあらかじめ用意されたシチュエーションの中で菊地氏はどう反応するのか。逆に半野氏からはあまり反応という部分は感じさせませんでした。名前は“ハンノ”なんですけれどね(寒!)。

“VERSUS”という言葉を鵜呑みにして言うと、対戦した両者はほぼ互角に自分には感じられました。対戦する一方に若手が多いのですが、負けていません。それを特に感じたのが最後のDJ、ドラム/パーカッション対決でした。DJ KENTAROはエッジのキレた攻撃的なスクラッチで先制し、DJ BAKUは間合いを見計らった絶妙なタイミングでエネルギーを注ぐ。自分、普段DJモノは聴かないのですが、これはホントカッコいいと思いました。

最初にも言いました様に、インプロヴィゼーションは、聴く側にも緊張感が共有されるため、気軽に聴けるものではないと少なくとも自分は思っていたので、今回、購入を後回しにしていました。しかしいざ聴いてみるとそんな構える必要はありませんでした。緊張はあるけれど、どれも皆引き込ませてくるだけの満足感と言うか、気持ちよさがありました。CDやDVDを視聴しながらこの文を書いていたんですけれど、そこでも引き込まれてしまい何度もキーを打つ指が止まってしまいました。

ただし、視覚からの方が入り易いと思ってDVDを先に観たのは失敗でした。というよりもったいなかった。インタビューや映像などの情報から受ける先入観を持たずにCDを聴いてまずそこで自分なりに感じ、それからDVDを観た方が、より楽しめるのではないかと思いました。先に述べた各々の感想だって、DVDのインタビューから情報を得た後に感じた事を書いていますから。

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>> REENTRY - BOYCOTT RHYTHM MACHINE II VERSUS 最終日

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コメント
この記事へのコメント
こんにちは。

インプロは大好きです。
演奏者個人のナマナマシイ感じが
とても大好きです。

loosecubeさんのコメントを見て

高木正勝 vs 南博、菊地成孔 vs 半野喜弘
のセットについては、確かに。そうですね。

岡部・芳垣vs DJ
僕はこの岡部・芳垣のコンビが
凄い好きなので、おそらくこの2人だけのが
ずっと見たいという気持ちの方が
先行しました。

2006/11/08 00:29
2007/03/17(土) 00:18 | URL | araigma #-[ 編集]
araigmaさんこんにちは。コメントありがとうございます。

>インプロは大好きです。
>演奏者個人のナマナマシイ感じが
>とても大好きです。

自分の場合、インプロにはモノによっては単なる手クセのタレ流しみたいなのもあるから、当たり/外れの差を大きく感じてしまい、慎重になってしまう所があります。ただし、この作品は全部当たりでした。
それと、自分にはどうも、インプロを聴く時にはそれ用のモード切り換えスイッチみたいなものがある様で、おそらくaraigmaさんの場合、そんな切り換えスイッチなどなく、何でも受け入れられる態勢が常にあるのだと思います。勿論、そこに好みはあるとは思いますが。

>岡部・芳垣vs DJ
>僕はこの岡部・芳垣のコンビが
>凄い好きなので、おそらくこの2人だけのが
>ずっと見たいという気持ちの方が
>先行しました。

あー、自分はその逆で、あの対照的な個性を持つDJ KENTAROとDJ BAKUだけの共演が聴いてみたいと思いましたね。インナーのプロフィールを読むと、今回音源としては初共演らしいですけれど。違う畑のリスナーがこれを聴いて、別の畑も面白いと思ってくれたらいいとKENTARO氏がインタビューで言っていましたけれど、まんまとそれに引っ掛かった感じですね、自分の場合。
ただあのドラム同士のアンサンブルも確かに気持ちいいです。具体的な所を言いますと、芳垣氏が1拍目にクラッシュを入れたとすると、岡部氏は2拍目にクラッシュを入れるんですよ。ああいう同じ事をやろうとしないツイン・ドラムって個人的に大好きです。

2006/11/08 02:21
2007/03/17(土) 00:18 | URL | loosecube #-[ 編集]
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