音楽がいくらあっても足りない。

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loosecube
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 the dylan group/Ur-klang Search

dylangroup.jpg マイス・パレードとしても活動中のドラマー、アダム・ピアースと、マリンバ、ヴィブラフォン奏者のディラン・クリスティーが中心のバンドの2000年リリースの3rdです。

 ディラン・グループと言ったら、よりダビーでクールでミニマルで音響系な1stの方が評価が高いとは思いますが、ロックの持つダイナミズムが大きく表れているこちらの方が個人的には好きです。激しく凄まじいドラミングもこれまでは“音響”という響きの枠にカッチリハマる様なパーツ的なイメージだったのが、ここではその激しさが枠から解放されたかの様な躍動感を感じ、なのに響きには巧く作用しているという、よりバンド感のあるサウンドになっています。自分はツインドラムにはあまり必要性を感じないと思う方なのですが、このアルバムでのツインドラムが作り出す揺れやアンサンブルの気持ち良さを聴くと、考えを改めたくなってしまいます。

 音を無駄に詰め込み過ぎないすっきりしたシンプルさがあるので、ヴィブラフォンの響きの美しさが鮮明に耳に伝わってきます。1曲目からマリンバとヴィブラフォンのミニマルなアンサンブルで幕を開けるのですが、それはTORTOISEの「テン・デイ・インターヴァル」にも並ぶ程の美しさを持っています。2曲目では最後にひたすら繰り返されるマリンバ、ヴィブラフォンのアンサンブルから切なさも聞こえてきます。

 実は自分は最初はディラン・グループを表面だけでしか聴いていなくてあまり魅力が分かりませんでした。シンプルさから物足りなさを感じたり、ひたすら繰り返すのもただクドいと思っていただけでした。しかしライヴに行ってダイナミックな演奏に魅了されてからアルバムを聴き直してみたら良さが分かりました。多分、自分にとっては音響系だの、ポストロックだといった予備知識がこのバンドには必要が無く、最初から素直にロックとして聴いていればもっと早く魅力に気付いたのかもしれません。
 LITHOPS/SCRYPT

scrypt.jpgマウス・オン・マーズのヤン・シュテファン・ヴェルナーによるソロプロジェクト、リトップスの3rdアルバムです。

 1stでは電子音がフワフワと流れていくぼんやり感が心地いい音楽、2ndではチープで愉快な音が散りばめられた面白い音楽ときましたが、この3rdでは冒頭からいきなり乱暴でノイジーです。それは挑発心や悪戯心から来るものというよりは、世の中に起こっている喧騒を音楽で表現したかの様です。もしくは崩壊されていく音楽というよりも、どこかのファクトリーでスクラップをかき集めてきてオブジェでも逆に組み立てているかの様な音楽にも聞こえます。今までになく緊張感が漂うのですが、どこか心地よさも感じさせます。そしてどこか哀愁をも漂わせます。このアルバムはノイズの洪水からいろんな聞こえ方がしてきます。ジャケットを手に取ったり遠ざけたりすると自分には表情が変わって見えてくるのですが、音楽もまさにそんな感じです。

 今作では相棒のアンディやフェリックスの他に、フリージャズのミュージシャンなんかも参加しているのですが、ここではアコースティック楽器も電子楽器も、フィールドレコーディングもデジタルノイズも境界線がなくサウンドが全体に巧く溶け込んでいます。

 リトップスとマウス・オン・マーズの違いは何なのかというと、マウス・オン・マーズをもうちょっと抽象的な音にしたのがリトップスなのかなとも思いましたが、マウス・オン・マーズにも「インストゥルメンタルズ」や「グラム」の様な抽象的なアルバムが存在するので一概にそうとも言えません。正直自分にも違いがよく判りません。ただこの「スクリプト」は決してマウス・オン・マーズ名義にはならない異質な感じも受けます。中には「PLAY THOUGH」「ATTACHED」など、マウス・オン・マーズの曲と言っても違和感のない曲もありますが、こちらの方が選んでいる音がもっと重くて硬くて激しく、歪み方も鋭く、やかましさの質にも重みがあります。

 ヤンの新たな一面がこのアルバムで垣間見れたと言った所でしょうか。

 リトップスは決してヤンの単なるストレスのはけ口や片手間などとは違う、とても質の高い音楽性を持っています。今の所自分の耳ではリトップスのアルバムにハズレはありません。
drumsdvd.jpg 先日webで外山明を検索していたら、彼がインストラクターを務めたドラムの教則DVD「INTRODUCTION TO PLAY THE DRUMS~入門ドラム講座」が存在する事を知りました。しかもかなり前から出ていたみたいで。

 外山明は自分の中では日本で1番…いや世界で1番好きなドラマーです。本当はドラマーそれぞれにそれぞれの魅力があるのだから順位を付けるものではないとは思うのですが、彼のドラミングを聴くと「やっぱり彼のドラムが1番だ」ってつい思ってしまうんです。

 彼はこれまでに日野皓正、渡辺貞夫、山下洋輔、松岡直也、坂田明、高野寛、ZABADAK等でドラムを叩き、最近ではUAのアルバムやツアーでもドラムやパーカッションを叩いています。

 彼のドラムを語る上で外せないのがティポグラフィカです。ティポグラフィカはリズムの訛りやポリリズムが特徴の一つでもあるのですが、複雑そうに思えるそのリズムを彼はただ器用にこなすだけではなく、今まで味わった事のない様な気持ちのいいグルーヴを生み出します。ティポグラフィカのライヴを聴いた(観た)人のほとんどが彼のドラムの虜になってしまう位、ティポグラフィカは外山明のためのバンドなんじゃないかって思ってしまう位、このバンドでの彼のドラムの存在感はとても大きいのです。sotoyama1.jpg
 
 で、ドラムの教則DVDなんですが、外山ファンの自分としてはやっぱりこれは見ておかないと。という事で買ってきました。

 入門編なので彼の裏ワザなどがレクチャーされるわけではなく、基本的な叩き方を教えていく内容なのですが…外山先生ー、ちゃんとした説明になっていないと思うんですけれど…(笑)

「これはクラッシュシンバルですね。クラッシュっていうのはあのぅ、クラーッシュ!!っていうからクラッシュなんですけれども…」

それでいいのかなぁ~?なんて心配しながら見たりして。具体的にここはこうして下さいとか細かく教えるのではなく、漠然とした教え方なんですよ。自分はドラムを演るからそれでも分かるけれど、はたして初心者がこれを見て理解出来るのでしょうか?

 でもこれはこういう事なんだと思います。細かい名称や意味なんかは後でも覚えられるし、初心者のうちからここはこうしなくちゃ、あそこはああしなくちゃと知識ばかり先行していたら頭でっかちになってしまう。それよりも叩きたいと思うその衝動をまず大事にしていこう。ただ後で変なクセにならないためこれだけ覚えておいた方がいいと思う所はちゃんとアドバイスしていくから…と。
外山氏はその“衝動”を“形”にするためにこのDVDで導いているのです。
ある意味彼のそういった教え方、考え方こそが彼のドラムスタイルそのものではないかと感じました。

sotoyama2.jpg では彼はただのフィーリングだけで叩くドラマーなのかと言ったらそんな事はありません。自分が今まで聴いた事のあるドラムロールの中では彼のが一番きれいだと思うのですが(ぜひ聴いてもらいたい!)、これはリズムの正確さがまずなければきれいに出せるものではないと思うんです。そういう下地がしっかりしているからこそ表現力豊かなドラムが叩けるのだと思うんです。

 この教則DVDを観てドラムを始めた人が、その後成長してプロとして現れる日が来るのかな…なんてちょっと思ってみたりもして。

 このDVDでは他にも外山氏ならではの教え方が色々あったりするのですが、ここであんまり教えちゃうとDVDの売り上げに差しさわるので(笑)これ位にしておきます。


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